2007年 03月 20日
3月19日 卒業式
と同時に、亡き父の命日でもある。
15年前、やはり卒業式の日の朝、父は逝った。
その時は、4年生を担任しており、とにかく学校に連絡し、何が何だか分からない一日を送ったことを今も鮮明に覚えている。
3月19日は、毎年、卒業式となっている。
教師である以上、忘れることのできない日付だ。
「おい、頑張ってるか?忘れるなよ!」
そんな父の声が、毎年、聞こえてくる。
私の田舎は、京都の丹後だ。
同じ京都でも、京都市内からだと3時間ほどかかる田舎だ。
こちらで就職が決まってからも、ことあるごとに、「帰ってこい」と口うるさい父だった。
そのたびに、「嫌だ。こっちでやることがある。最先端の教育はこちらでないと学べない」
と、私は繰り返していた。
何もかもがうまくいかなくなった時、一度だけ、私は
「もう帰ってこようかなあ・・・・。」
と父に言ったことがある。
その時、父は、
「あのなあ、お前の言う最先端の教育っていうのは、もういいのか?そういういい加減なやつには帰ってきてもらわんでいいし・・・。」
と、ボソッと言葉を返してきた。
救われた・・・そう思っている。
優しい言葉は誰でも言えるものだ。厳しい言葉にこそ、真実がある。そう、思う。
父と面と向かって、話をすることは少なかった。
父が亡くなり、墓ができて・・・。
10年くらいは、墓に向かって話をすることが多かった。
私も娘ができて、ほんの少し、親の考えることというものが、分かるようになってきた。
3月19日は、毎年、卒業式に向かう車の中で、15年前のことを思い出す。
そして、北の空に向かって、
「なあ、俺、がんばってるし。教育の最先端を今も追い続けてるで!」
と、父に報告することにしている。
今年の卒業式。
予定していたように、教師バンドの伴奏に合わせて、子ども達の歌う「卒業」が体育館に響き渡った。おめでとう、そして、がんばれよ、卒業生たち!