ずっと読みたかった本をやっと読んだ。
老人ホームで生まれた<とつとつダンス>(砂連尾理著・晶文社)が、それ。
著者である砂連尾さんは、コンテンポラリーダンサーで、私の著書「エピソードで語る教師力の極意」(明治図書)でも紹介した方。
これは、老人ホームで、お年寄りとの「とつとつダンス」が創り出される過程を描いたものであるが、決して、それだけのものではない。
読みながら、私は、ずっと教育のことを考えさせられた。
ダンスというものに真摯に向かい、新たな境地を見出されていく過程は、・・・何だろう、何度も読みながら涙が出てきそうになるのです。
例えば、こんなくだりがある。
「ダンサーなのに、まだダンスとは何かがわからなくても・・・」
本の帯を書かれているのは、鷲田清一さん。それだけでも、この本がたんなるダンスの記録ではないことが分かっていただけると思う。
鷲田さんは、こう書かれている。
「わかる」ことで消えてしまうことがたくさんある。「わかる」より大事なのは、驚き、とまどい、思わずさわりにいきたくなること。
多くの教育者に読んでほしい。
きっと、感じるものがあるはずだから・・・。
あーっ、久しぶりにダンス公演を見に行きたくなりました。