2008年 03月 20日
相棒に最後の授業を見せた
つまり、3月14日。
学年で、障害者に関する授業をする必要があって、それで、私が学年授業をすることにした。
一ヶ月ほど何をしようかと迷っていたのだけれど、久しぶりに、星野富弘さんの授業をすることにした。
私が見せたかったのは、語りだ。
最終、教師が身につけなければならないのは、子ども達に向かって、語れるかどうかということに尽きると思う。
これは、ただ単に話せるかどうかということではない。
子ども達の心に響く話ができるかどうかということだ。
そのためには、内容が大事になってくるのは言うまでもないが、
声の抑揚、間合い、といったものも考えなければならない。
クラスという場ではなく、学年という単位の中で、それを見せてみようと思った。
星野富弘さんを扱った授業はたくさん報告されている。
私自身が、星野さんを扱った授業を試みたのは、ずいぶん昔で、今から、13年ほど前のことだ。だから、その時の授業の流し方は頭の中にある。
しかし、13年たった今、当時では難しかった字や絵を拡大して見せるという場面は、プロジェクターを使うことによって、いともたやすく用意することができる。
ならば、そのあたりの見せ方は、再度、構成を変えて・・・と思い、流し方を考え直すことにした。
そして、13年前に用意した「星野さんのビデオ」は、今も持っているので、それも使っていく。
そして、どうしても授業の中に組み入れたかった星野さんの詩。
神様がたった一度だけ
この腕を動かしてくださるとしたら
母の肩をたたかせてもらおう
風に揺れ
ペンペン草の実を見ていたら
そんな日が
本当に来るような気がした。
「母の肩をたたかせてもらおう」の部分を隠しておいて、
「たった一度だけ腕が動かせたら、星野さんがしたかったことが、ここには書かれています。さて、それは何でしょう?」
と聞く。
授業の中で、一番、子ども達に考えさせたいものとして、この詩を選んだ。
授業の詳細は、ここでは書かない。
ただ、45分の授業で、数分だが、子ども達が私の語りに聞き入った場面があった。
そこを見せたかった。
一年間で、たぶん、数十時間の授業を見せた。
もう相棒に授業を見せることはない。
私の授業の全てを見せたと思っている・・・・。