2005年 08月 21日
友だちいないと不安だ症候群につける薬
「友だちないなと不安だ症候群につける薬」(齋藤孝著・朝日新聞社)を使って授業してみたいと書いたら、その件で書き込みをいただいた。
そのあたりの自分の考えを少し書いてみたい。
私が、この本を読んでやってみたいと思ったのは、「偏愛マップ」の授業だ。
その他の「強いテキスト」を使った授業については、異論はなく、当然のことだと考えている。資料を整えて、私なりの授業も考えてみたいとは思っている・・・。
「偏愛マップ」の授業を読んで、夏休み中に自分が反省したことを思い出したのだ。
最近、音楽やダンスなどの公演に職場の先生と一緒に行くことが増えている。
ある時、学年の先生から、
「T先生って、中学校の時は体操クラブだったそうね。それで・・・・」
という話を聞いた。
私は、「へえっ?」と思いながら聞いていたのだが、後で反省することしきりだった。
私の方が学年の先生よりもT先生と話をする機会は多かったはずだ。
でも、T先生が体操クラブに入っていたなんて話は聞いたことがない。もっと、人との会話の中で、いろんなことを引き出していくようなことを考えないといけないなあ・・・と、その時は、反省した次第だ。
でも、この本を読んだ時、このT先生のことが思い出された。
人と人が話をする時、まず、お互いの共通項のようなものを探り合うのだろう。私のT先生の間では、一応の共通項が確認できているので、そのことを中心に話をする。
でも、学年の先生とT先生は、まだ話す機会が少なかったので、いろんな話題を出し合いながら、共通項を探り出そうとされていたのではないか。
私たち、教師は、同じ職場で働いてはいるが、お互いのことを驚くほど知らない。
少ない共通項を見出せば、それを話題として、少し話をする程度だ。少なくとも、私はそうだ。
でも、ひょっとすると、もっとたくさん話ができる内容を共有しているのかもしれない。
そんなことを、T先生の体操クラブの話と、この本から考えた。
話を教室に変えて、考えてみると、子どもたちは、一年間を同じ教室で過ごすのだけれど、ほとんど話をしない関係の子どもたちだっている。でも、何かの拍子に仲良くなる場合もある。
じゃあ、担任である私は、どれだけ、その「何かの拍子」を与えているだろう?
この「偏愛マップ」を使った授業は、その「何かの拍子」になる可能性を持っていると思うのだ。
まずは、来週の研修会で、先生方相手に、この「偏愛マップ」の授業をしてみようと思う。
こういう道徳の授業は大切だと思う。
こういう授業をすることが、ペア学習の可能性を広げていくと思う。
あっ、「偏愛マップ」って、書くだけじゃ、読んでない方には何のことか分かりませんよね。
ものすごく簡単に紹介します。興味の沸いた方は、是非、本を読んでみて下さいね。
1.それぞれ偏って愛しているものを紙に書きます。
(私は紙を配って、今、好きなものを思いつくまま書いて下さい、時間は3分です・・・みたいな 感じで進めようと思います。10個書きましょうなんて指示を入れるかも)
2.2人一組になります。
3.お互いのマップを交換し、相手の偏愛マップを見ながら話をひたすら盛り上げていく。
(この部分は、少し丁寧な指示が必要だと考えている。例えば、お互いの共通項があります か、あれ、意外がなあと思うことはありますか等々、少しマップを見る観点、時間をとって、そ れから話し合いの時間としたい)
本にはここまでなのだが、2人で話したこと、新たに発見した友だちのことなどを少し交流する時間もとりたいと思う。