2012年 10月 07日
10月7日 その瞬間の言動が全てなのだと思う
そう思っている。
昨日は運動会であった。
私の担任する5年生の子ども達は6年生と一緒に組体操に挑戦した。
その瞬間は、まさに組体操のクライマックスの瞬間にやってきた。
6年生は2クラス合同(約60人)による巨大ピラミッドを2つ作り上げる。最後の大技である。
壮大なBGMが流れ、5年生の子ども達は6人組で花(6人で円になり、足を伸ばして座る。手をつなぎ、BGMに合わせて倒れたり起き上がったり・・・遠くから見ると花が咲くように見える)を作ります。
まさに、その技が始まった時、BGMの曲がプツンと消えてしまったのです。
一瞬にして、グランドが静寂に包まれました。
その時、6年生のそばには補助の教師が何人も入っておられました。
その瞬間、教師が、子どもの動きを制御したのです。
教師の即時の判断でした。
5年生は・・・・。
5年生の子ども達の技は何の危険もない技だったので、補助の教師はついていませんでした。
子ども達は、自分達の判断で技を続けたのです。
頭の中で、聞こえない曲をイメージしながら・・・。
BGMの音が飛んでしまったのは1分程度だったでしょうか。
もし、全部の動きが止まっていたらどうでしょう?
きっと、グランドはザワザワと大騒ぎになっていたでしょう。
私は、5年生の子ども達の動きが、その場の空気感を保たせたのだと思います。
更に驚いたのは、曲が流れた瞬間に、子ども達は一瞬動きを止め、アイコンタクトで動きを一斉に調整したのです。
私は、子ども達の成長に、涙が出そうになりました。
私が目指しているのは、その瞬間に対応できる子ども達です。
その瞬間にどう動けるのか、その瞬間に何を語るのか・・・それが力なのだと思っています。
演技を終えた後、何人かの先生から、「曲が消えてしまったのが残念でしたね」と声をかけていただいた。
それは違う。
あの曲が消えた瞬間。子ども達は、私の方を見なかった。
何も言わず、自分達で行動を決め、実行に移した。
その素晴らしさを見てやることが大事なのだ。
そういう見方が、子ども達を更なる高みへと導いていくのだと思う。